その紡さんの言葉に、思わず茶色いお弁当を落としてしまいそうになりまた新さんにキャッチしてもらった。

新しい部屋では、長机二つを合わせて皆で食べるのが習慣になりつつあり、誰ともなく準備していた時だったから、皆の動きが止まる。


歓迎会での騒動を知らない人はいないはずし、当然の反応だ。私も同意。

「おい、林田の雑誌とは今後取引しないはずだったよな」

「あのセクハラ親父ではなくて麻里亜さんの方の雑誌です」

「同じだろうが!」

「しょうがないよ。あっちは映画の公開まで毎月特集を組むんだから、今回だけの了承だし協力してやって。俺が対応するから、補助に緩奈さんお願いしますね」
「は、はい」

確か麻里亜さんも雑誌編集長だっていってたもんね。
色々ともやもやしたしこりはあるものの、仕事だから仕方ないと自分に言い聞かせる。

そのまま紡さんは副社長室へ書類をチェックしながら戻って行ってしまった。

「おい、不破。俺が代わる」