それから暫くして、朝から夕方までの長時間に及ぶ会議で、新さんのデザインが通った。
うちの会社は、工場も持っているので次に製造ラインの準備さえもう手配し始めている。

私もちょこちょこ仕事を手伝えるようになっていたけれど、AWの準備の方で事務の方も手伝うようになっていた。
いや、そもそも私は事務の契約社員だもんね。

新さんが色んな人に指示をしてデザインを3D化したり見本を出したり、バタバタと忙しくなり、気づくとシンデレラ企画の人数も増えてきた。


総勢11人に膨れ上がり並べられたディスクの多さから、副社長室は手狭になってしまい、本来の特別企画室用の部屋に移動してしまう。
副社長室は、機密なデザインなどの外部に漏れないようにしなければいけない時だけの解放らしい。
その証拠にトンデモナイことを言いだしたんだから。


「明日、林田さんの雑誌の取材が入ります。未公開ラフとか見たいらしいのでよろしくお願いします」