「……お前は」
苦い顔をした新さんがこちらを見る。
「新入社員歓迎会の時のステージの左右に置かれていた花もそうだが、大胆な色使いの癖に綺麗に纏めるな」
「そうですか?」
「そんな自信のねえ発言するな。お前はまず根本から変えて行かなきゃ――何も変わらないぞ」
頭にポンと何か乗せてきたかと思うと、そのまま徐に立ち上がって店の売り場のほうへ行ってしまった。
頭に乗せられたのは、新さんが作った栞で千切り絵のように、花弁でガラスの靴を作っていた。
綺麗だと手に取って良く見れば、花弁だと驚くような精密さ。
「これ、頂いてもいいんですか?」
「そんなんで良かったらな」
「ありがとうございます」
『TIARA』のデザイナーの作品なんて、きっと簡単には手に入らない。
嬉しくなって、それに似合おう様な詩集まで売っていたので買ってしまった。
新さんもドライフラワーと香水瓶ぐらいの入れモノを買っている。
「新さんのは、貰うとテンションが上がっちゃうようなオシャレなデザインで嬉しいです」
「今度もっと良いモノ作ってやるからそれで我慢しとけよ」
正直に言った感想なのに不機嫌と言うかぶっきらぼうにそう言いきった新さんの背中に、――とってもほっこりしてしまった。



