「テーマは『シンデレラ』だ」
「え?」
「半端なもの作ってたら一生契約社員だからな! しっかり作れよ」
「ひっ」
自由に作らせてくれてもいいじゃないですか!
と心の中で小さく悪態付きながらもその悪態を心の隅へ押しやる。
既に新さんは子供の様に夢中だったし、常日頃から私に眠っている才能云々言っていた新さんに、そんな才能なんてないとアピールしたくて。
「珈琲もどうぞ。お二人もデートか何かですか? 今公開の映画のあとに此処を訪れてくれるお客様が増えて嬉しいですねー」
新さんの映画のパンフレットを横目で見ながら、にっこりと人が良さそうに笑ってくれている。
「一応、お仕事なんです」
今もお仕事の一環でこの栞を作っているとは言えない。
一見、デートにも見えなくもないか。
でも、昨日の紡さんのは確かにデートといえばデートかもしれないけど、新さんも一応御曹司さんだからデートといえば豪華なイメージしかない。
どんな場所へ連れて行ってくれても、その顔はしかめっ面なのかな。



