よく見れば、飲み干した珈琲の入っていた容器を握りつぶしながら、ブツブツと考えだした。隣に私がいるのに、仕事モードだ。
「新さん」
「ああ、すまない。もう一度見たいぐらいだ」
急にそわそわしだした新さんが、上映時間を確認し出す。
「レイトショーでもう一度来たら良いですよ。それより、アクセサリーやジュエリーショップも私でよければ付き合いますよ」
此処まで仕事として見るなんて、新さんは真面目すぎるぐらい真面目な方だった。
初対面で、キスしようとしてきたからギャップがあるけれど。
「そうするか。下の階で気になってる店があってな」
「わはは。女子みたいな会話」
「仕事だ」
いつの間か買っていたパンフレットで頭を軽く小突かれつつ、二人並んで歩き出す。
やはりちょっと私は緊張してたけど、新さんが仕事モードなのでちょっとだけ緊張が和らいだ気がした。
新さんに連れられてやってきたのは、ドライフラワーを使った小物を売っているお店『chamomile』
6畳ぐらいしかない店内には、色んな香りがするドライフラワーが天井から吊るされていた。



