嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?


「あら、そうですか。ではこれ、誰のかしら」
塚本さんが茶封筒の中から招待状を取り出す。
「あら、新さん宛みたいですね」
「はー? 俺がまたスピーチかなんかやれってこと? くそ、アイツ、なんで事前に聞いてこねーんだよ」
「断られるからかと」
「くそー。むかつく。あいつ、今日、帰って来るよな? 文句言ってくる」
「お気を付けて」
塚本さんがぺこりとお辞儀するので私も深々とお辞儀する。
この声、聞いたことあるって思ったけど顔はよく思い出せなかった。
でも、シュッとしたちょっと釣り目がちの目なのに、鼻梁のせいで凄く整って見えるし、服装もスーツじゃなくてジーンズにブランドロゴのTシャツと飾らないオシャレが格好いいかもしれない。

瞳も、ブラウンかかってて。
って。

「うわあああっ」
「どうしたの? 不破さん」
「あ、あ、い、いえ」

思わず口をパクパクしてしまったけど、言葉が上手く出て来ない。
でも、この人昨日、トイレから出てきた私の唇を奪おうとしていた人だ!


「あれ、アンタ、まさか昨日の?」

男の方も気づいたようで、双眸を見開く。