「それ」
「映画と言えばキャラメルポップコーンだろうが」
そんな事実、初めて知りました。
とは言えない。
強面な新さんがキャラメルポップコーンLサイズを持ってるのがシュールです。
とは笑えない。
「似合わないとか顔に書いてるぞ」
「ひっ」
両手で顔を押さえたけれど、バレバレだったご様子で益々苦い顔をされた。
「っち。リサーチに一人で恋愛映画を良く見に行くからその反応は慣れてる。雑貨屋やジュエリーショップでもその顔か勝手に『どなたに贈り物ですか』とか決めつけられたり」
「ぷっ」
「――笑うな」
「だって新さん、顔に似合わず繊細だから」
年上なのに可愛いとか思ってしまった。
「お前には両方やらん」
「わっ! 一人でポップコーンと珈琲二本とか無理ですよー」
不貞腐れて先に行く新さんをまた笑ってしまいながらも慌てて追いかけた。
でも、繊細だからこそスランプになるんだから、新さんらしいと言えば新さんらしいけど。



