思わず自分を指差すと、新さんの眉間のシワがいつも以上に深くなる。
「お前はこのプロジェクトで俺の助手だろうが。当たり前だ」
強面の新さんが恋愛映画。
それだけでもちょっとびっくりなのに、私が隣で一緒に見る?
ちらりと助けを求めるつもりで紡さんを見るが、二日酔いらしい紡さんは、私たちを追い出したいのだと思う。
こんな平日の昼間の時間を確保するぐらいだもの。
「おい、半分珈琲を飲んだぞ」
「はい……。すぐにでも」
「いってらっしゃい」
スランプ脱出のための第一歩ならばどこまでもお供します!
と思わなきゃなのかな。
駅の隣のファッションビルにスーツの新さんと制服姿の私はちょっとだけ注目を浴びていた。
いや、足の比率がおかしすぎる長身イケメンが歩いているから女の子たちが振り返っているんだと思う。
映画館に入ってすぐに、その映画の舞台である花屋カフェの特設広場ができていた。
花屋兼カフェに訪れる色んな人々の恋愛模様。
『君と花を愛でながら』
特設広場では、カウンターと珈琲カップが置かれていて、映画ポスターの真似をする事ができた。
ポスターを眺めている間に、女の子たちが何人かポスターの真似をして写メを撮ってキャッキャッしていた。
「悪い。時間がかかった」
新さんの声がして振り返ると、片手に大きなポップコーンと珈琲を二個持って立っている。



