嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?


震える私を見て、紡さんは先ほどから貼りつけた笑顔を崩さずに言った。

「俺と婚約したフリをしてくれませんか?」

「や、やっぱり。変だと思いました。こんな豪華な所へ連れてきてそんな願い、無理ですからね。何も食べませんから」

美味しそうなメニューを閉じて紡さんに返すと、じとっとした瞳で見つめられた。
「俺と君が婚約して会社を継ぐと新も分かれば、スランプを脱出出来ると思われるのですが」
「私なんかじゃなくて、あの綺麗な林田さんとか」
「新は理恵子さんのデザインを尊敬してますから貴方じゃないと駄目なんです。お願いします。このシンデレラの企画の間だけでも」
私じゃないと駄目――。
そんな台詞で煽られると勘違いしてしまいそうになる。
「あいつは女性に対して言い方がキツイし鬼上司のレッテルを貼られるぐらい容赦ないから恋人は居たことがあっても気を許せる女友達が居なかったのも問題ですね。女の子を素敵に変身させるジュエリーのデザイナーのくせに」
「色々と弟さんの事を考えてあげてるんですね」

「ふふ。弟の為なのか、自分が築き上げたブランドの為なのか――君を手に入れたいからか。正解はどちらがいいですかね」