嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?



折角買ってきたベーグルは、ブルーベリーや苺ジャム、チョコにアップルバターなど人気ばかりだったのに、誰にも食べられずにディスクの上に飾られただけだった。

会議に来られた監督さんや関係者は4人だけで、その四人と紡さんが話すのを私はメモを取る係だったけれど、みなさんが情熱的語りだし、ヒートアップして誰も飲もうとも食べようともしなかったんだ。

それでも気になってしまうのは、新さんだった。

どうやらテーマの決まっているのに新さんが自分のデザインに納得ができないらしい。

そのデザインがしっかり決まらなければ、映画も商業展開も進まない。

何かを作り出すのが簡単なわけはないけれど――スランプって言うのは本当だったんだ。


「収穫は一杯ありました。無駄ではない4時間でしたね」

紡さんだけが一人余裕の笑顔を向けていただけで。
新さんはまだ自分が描いたデザインを眺めている。


「では俺達は先に帰りますよ」

そんな新さんに紡さんは声をかけるわけでもなく、淡々とそう言い放った。