胸元のネームが釜井となっている受付の女の子は、綺麗な顔を崩していたがすぐに笑顔で取り繕う。
「わかりましたぁ。差しいれも本当にありがとうございます」
完璧に笑うその笑顔が、怖い。
でも、釜井さんも確かに綺麗だけど、林田麻里亜さんはモデルの様なお姫様の様な貫禄だったもんね。
王子様の回りにはそんな綺麗な人たちがゴロゴロといるんだから、私なんて目には要らないはずなのに。
いかにお婆ちゃんの影響力が強いか伺える。
「遅い。腹が減ったじゃねーか」
ベーグルを塚本さんへ託して副社長室へ戻ると、お腹を空かせた新さんが不機嫌そうにソファに倒れていた。
「早くお前の茶色い弁当を寄こせ」
「だから! 最近は緑の野菜も入れてます!」
「御託はいいから、早く腹に入れさせろ」
お腹が空いて機嫌が悪くなるなんて意外と子供っぽいと思いつつも、タッパに詰めたお弁当をレンジへ突っこんだ。
いつしか新さんと紡さんも食べたいと言い出して、朝はお弁当作りで忙しい。
最近では、夜ご飯はお弁当に詰めやすいモノをと考えてしまうぐらいだ。



