涙が一気に溢れた。 嗚咽をかみ殺しても、肩は震え、涙が止まらない。 薄暗い下駄箱で、ただひとり泣いた。 毎朝履きつぶしたローファーを履き替えるたび、心は踊った。 今日も長谷川くんと会える、話せる。 たとえ、私のことを覚えてなくも。 毎日、幸せだった。 好きなってもらえるかもと、思っていた。 でも、既に彼の心は――誰かのもの。