「長谷川くんが同じクラスでびっくりしたよ」
HRが終わってだいぶ時間が経ち、少し教室が薄暗くなったくらいだった。
なんでそんなセリフを吐いたのか、きっかけがなんだったのか覚えていない。
ただ私は浮かれていたのは覚えてる。
ふたりっきり、暗くなった教室で彼と話しているという状況に。
「ああ、先生たちからは難関国立クラスに行けって言われた。
行ってもよかったけど、でもあのクラスになると、朝と夜とか夏休みとか課外あるだろ。
俺、バイトしてるから無理だったし」
「そうなんだ。
バイトしててそんな勉強できるとかすごいよ。
難国クラス行かなくても、長谷川くんなら余裕だよ」

