俺なら、泣かせない。
彼女には、涙よりももっと笑顔が似合う。
だから、彼女を悲しませない。
「なら、また話してよ。
俺でよければ、相談相手になるよ」
「え……いいの?
あ、でも悪いよ」
「いやいや、話聞いたからさ。
このまま見て見ぬ振りはできないよ」
「……ありがとう、倉部くん」
彼女は笑う。
ああ、やっぱり、笑顔がいい。
どうやったら言えるんだろうか。
俺にすればいい、って。
俺なら泣かせない、って。
思っていることをすべて言葉にして、彼女に伝える方法を教えてくれ。
俺の臆病さ、声にする前に詰まってしまう。
でもいいんだ。
今、彼女が笑うなら、それでいい。
それで、いい。

