その時ちょうど誰かが呼んでくれた救急車が到着した。
おじいさんが救急車に乗せられていく。
「最初におじいさんに駆け寄ったのは君だね」
救急隊員の人にそう言われてあたしは頷いた。
「そして、AEDを使ったのはあなたですね」
「はい、そうです」
あたしの隣でお兄さんがそう言った。
「では、2人も一緒に救急車に乗ってもらえますか」
そう言われて、あたしとお兄さんは一緒に救急車に乗った。
病院の中では見つけた時の状況や、対応の説明をした。
そして、
「おじいさん、もう大丈夫ですよ」
そう看護婦さんが教えてくれた。
結局おじいさんは心筋梗塞で倒れたらしい。
迅速な対応のおかげで後遺症もないだろうとの事。
連絡を聞いた奥さん、あたしで言ったらおばあちゃんかな。
が是非お礼をしたいと言ってきたけどお断りした。
だって、当たり前のことをしただけだから。
そしたらじゃあって言っておばあさんはカバンから可愛い刺繍が施されたハンカチを出し
てそれをあたしとお兄さんにくれた。
おばあさんが趣味でやってるんだって。
あたし達はそれを受け取って病院を出た。

