パーンっ



「「「「やった~~~!!!!!!」」」」



1位は…3組だった。

そして数センチの差で2組は2位。

悔しそうに膝を付く啓太。

周りは良くやったよと、啓太を励ましている。

啓太…本当に悔しそう。

あたしは啓太に近づいた。



「おつかれ」



そう言ってポンポンと肩を叩いた。

啓太は顔を上げてあたしを見た。

歯を食いしばって悔しそうな顔をする啓太。



「啓太、格好良かったよ」



あたしがそう言うと啓太はカッと目を見開いて立ち上がった。



「俺…格好良かったか?」



さっきとは逆にキラキラした目であたしを見る。



「う、うん」



少し後ずさりながらそう言うと啓太はニッと笑って頷いた。



「そっかそっかぁ。俺カッコイイか」



そう言う啓太はニヤニヤ笑っていてはっきり言ってキモイ。

まぁ、でも元気は出たみたいだから良しとしよう。

そして、いまだにキャーキャー言われている隼人くんがいる方を見る。

みんなに囲まれてニコニコ笑っている。

隼人くん、本当に人気者だな。

そう思って隼人くんを見つめていたら不意に目が合った。

隼人くんはみんなにわからないようにさりげなくあたしにピースサインをした。

それを見てあたしは笑って口パクで『おめでと』と言った。

すると隼人くんはニッと笑って『ありがと』と返してくれた。

それを見て少し頬が赤くなった。

でもなんで赤くなったのかはまだわからなかった。