「よし、次私だ!行ってくるね!」



そう言って立ち上がったさっきの女の人。



「がががががんばってください!」



あたしがそう言うとその人は笑って、



「あなたも気楽に頑張ってね」



そう言ってスタートラインの方に行った。

そして…



「す、すごっ」



その人はすごかった。とっても早かった。

ぐんぐんと3組の男の人に追いついていく。



「美恵子先輩はやーい!!」



「2組頑張れ~!!」



なんとさっきの人は陸上部の短距離の選手。

全国大会3位の実力者。そりゃぁ早いわけですよ…。



「ほら、あなた次でしょ!」



そう言われてハッとする。

美恵子先輩とやらに見とれてて次が自分だと忘れていた。



「あ、す、すいません!」



立ち上がり、スタートラインに行く。

周りから頑張れコールがすごい。

美恵子先輩のおかげでほとんど差がなくなったけどやっぱり1位は3組。

あたしの前の人が近づいてくる。

隣では3組がバトンを受け取った。

あたしも走り出す。



「パスっ!!」



前の人からバトンを受け取る。

あたしは一生懸命走った。夢中で走った。

だけど、3組の人の背中はだんだん遠くなっていく。

あぁ、もう無理っ!!!

そう思った次の瞬間、