二人三脚、玉入れ、大玉ころがし、そして応援合戦。
あっという間に午前の部が終わり、お昼。
午後の一番がクラス対抗リレーとあって、あたしは全然食べれなかった。
「おい、もっと食え」
「無理…」
本当に運動神経が良い人はずるいと思う。
隣では啓太がガツガツとお弁当を食べている。
その隣ではあたしをチラチラと心配そうに見つめながら秋がちびちびご飯を食べている。
『ピンポンパーン、1時からクラス対抗リレーです。みなさん、そろそろ支度をお願いし
ます』
そんな放送が流れてあたしの心臓は飛び跳ねた。
あ~ご飯食べなくてよかった。…吐きそう。
そう思いながら自分の列に付く。
「あなた顔色悪いけど大丈夫?」
あたしの前の前を走る知らない3年生の女の人が声をかけてきてくれた。
「だ、大丈夫じゃないです…絶対抜かされます…」
そう言うとその人がニコッと笑って、
「大丈夫だよ。うちのアンカーは戸川君だもん。抜かされても抜かし返してくれるよ!」
そう言ってポンポンと背中を叩いてくれた。
それでカナリ緊張が解けた気がした。
「あ、ありがとうございます」
お礼を言うとその人は微笑んだ。
「あ、ほら始まるよ!」
そう言われてスタート地点を見た。
2組のスタートは秋だ。
『よーい、ドンっ』
パンッという音とともにスタートした。
秋はとてつもない速さでみんなを遠ざけていく。
「すごい!あの子早い!!」
「行け~!!2組!!」
みんなの応援が大きくなる。
あたしは心のどこかで2組がビリになってくれることを願っていた。
だんだんとあたしの番が近づいてくる。
それに比例してあたしの心臓もバクバクと鳴っている。
「1位は3組。2位は…2組だ!」
近くにいた人がそう言う。
まままままじかよぉぉぉ~

