ピピピっ
「38度5分か…高いわね」
保健の先生が体温計を見ながらつぶやいた。
そんなに熱あったんだ。
熱があるとわかったらさらにだるくなった気がした。
「親に迎え来てもらいましょう」
早退するためにカバンを秋に教室から持ってきてもらっているときに保健の先生に言われた。
「いえ、うちに親いませんので一人で大丈夫です」
そう言うとちょうど秋がカバンを持ってきてくれた。
「大丈夫?一人で帰れる?」
相変わらず心配な顔であたしを見る。
本当に秋は優しいんだから。
「ん、大丈夫だよ」
あたしがそう言って笑うと秋は少しほっとしたようだ。
保健の先生と秋にお礼を言って、あたしは早退した。
お昼の人通りのない道を歩く。
家まで歩いて20分、ふらふらしながらも足を前に進める。
あ~なんか目が回るか…も…
フラッ
突然目眩がして、そこであたしの意識は途切れた。

