水着持った、タオル持った、お金持った。よし!!

あたしは玄関でサンダルを履いた。

そして、玄関のクマさんの横にいるピンクのうさぎを見る。

隼人くんに射的で取ってもらったものだ。



「いってきます」



あたしはそのうさぎに挨拶をして家を出た。



「5分遅刻だぞ~」



家の前には啓太がいた。



「ごめんごめん!」



「ったく。お前っていっつもそーだよな」



そう言って歩き出す。

あたしは啓太について歩く。



「ごめんって!ほら!早く行くよ!」



あたしは啓太を抜かして走り出す。

でもあっという間に追いつかれる。



「お前ってホント走るの遅いよな。それでよくから…あ、なんでもない!」



そう言ってあたしを抜かし返す。

啓太の言いたかったことは分かった。

また、昔の傷がうずく。

あたしは首をぶんぶん振った。



「ちょ、早いって~!!」



そんなことをしながら、あたし達は秋の家に着いた。