子供たちが欲しいおもちゃに向かって前のめりになって鉄砲を打っている。
でもなかなか当たらない。
「真子先輩、欲しいのある?」
そう言うと、先輩は射的の景品を見ながら少し考えて、指を刺した。
「あれ、欲しい」
先輩が指を刺したのは、小さいうさぎのぬいぐるみ。
「わかった。おじさん!1回」
「はいよ!」
おじさんはそう言って俺に球を3球渡してきた。
俺、意外と射的得意なんだよね。
「がんばって!」
真子先輩が隣で応援してくれている。
絶対落としてやる。
パン
「あ~おしい!!」
うさぎに当たったけど倒れただけ。
後ろに落とさなきゃいけないんだ。
「可愛いお兄さん、おしかったねぇ~」
そう言っておじさんはうさぎをもとの位置に戻す。
よーし、今度こそ。
パン
「わぁ!すごい!隼人くん!!」
なんとか落とせた。
球はあと1球。
俺は構えた。
パン

