「わぁあ!!!」
隣からそんな声が聞こえた。
大樹を見ると…
「ゲッ!!」
そこには割り箸だけを握った大樹が今にも泣きそうな顔をしていた。
でも…口の周りは真っ赤っか。そして…
「ぼ、僕のりんご飴…落ちちゃった」
ハンカチには赤くりんご飴が落ちた跡が。
ハンカチ、敷いといてよかったと思った。
そして、ベンチの下には変わり果てたりんご飴。
「う、うぅぅぅ~」
大樹の顔がくしゃっとなっていく。
「な、泣くな大樹!」
俺は慌てて大樹の赤く汚れた口を持ってきていたウエットティッシュで拭く。
「僕の、りんご飴えぇ~」
あ、泣く。
そう思った瞬間。
「わあああぁぁぁ~~~ん!!」
あ~始まった。泣き虫大樹が。
俺は急いで大樹を抱っこする。
「ほら、また買ってやるから、な!」
抱っこしてあやすけど、大樹は泣きやまない。
「あのりんご飴がいい~~!!!」
りんご飴が落ちたのが相当ショックだったらしい。
全然泣き止む気配ない。
あ~どうしよう。困っていたその時、
「啓太?大ちゃん?」
後ろから声がした。

