「はい!先輩!」



「あ、ありがとう」



俺からりんご飴を受け取る先輩の顔は赤かった。

いつか、本当に彼女って言えたらいいな。



「おいしい?」



手を繋いだまま、隣でりんご飴を食べている先輩に聞いた。



「うん!おいしい!食べる?」



いきなり先輩にそう言われて俺は固まった。

だ、だって!!

先輩も自分の発言に気付いたのかハッとしたような顔をした。



「あ、ごめん。つい…」



そう言って顔を赤くする。

先輩は今日で何回顔を赤くしただろう。

でもそれは俺に対して少しは意識してるってことだろうか?

そう思ったらなんだかちょっと嬉しくなった。



「じゃあもらう」



俺はそう言って、開いてる方の手で真子先輩のりんご飴を持ってる手を掴んで自分の口に持ってきた。

そして、シャクッとりんご飴をかじった。

フワッと甘さが口の中に広がる。

りんご飴なんて久々に食べた。

口の横に付いた飴をペロッと舐めて先輩を見た。



「ごちそーさま」



そう言うと、真子先輩の顔はりんご飴のように真っ赤になった。

それを見て、俺は笑った。