「は…やと…くん?」



そう言いながら首を傾げる。

あ、まずい。まずいぞ。

これは男としてまずい!!

初めて見る浴衣姿。密着してる体。

見上げてくる愛しい人の目。

俺は思わず抱きしめようとした。

…けど



「ど、どっかぶつけた!?痛い!?」



いきなり俺からバッと離れて俺を下から上まで見る。

きっと俺が怪我してないか心配だったんだろう。



「あ…いや…」



何か言わないと。

でも頭の中には…



「あ~先輩…まじ好き」



その言葉しか出てこなかった。

俺は恥ずかしくて顔を手で覆った。

目の前では先輩も顔を赤くしていた。