「よし、完成!」
おばさんは満足そうに笑ってる。
そのとき、廊下から大ちゃんが走ってきた。
「…。」
あたしを見て、目を見開いている。
「だ、大ちゃん?」
大ちゃんの名前を呼ぶと、大ちゃんはハッとしたようにしたと思ったら、走っておばさんの後ろに隠れてしまった。
おばさんはクスクス笑って、
「大樹、真子ちゃんよ?」
そう言うとおばさんの後ろから大ちゃんが顔を出す。
「真子ちゃん?本当に?」
不思議そうに首を傾げる。
「うん、真子だよ」
そう聞くとちょっと恥ずかしそうにしながら出てきた。
そして、
「真子ちゃん、すごい可愛かったから僕、誰かわかんなかった」
照れたようにそう言う。
そのしぐさが可愛い。
「へへっ、大ちゃん褒めてくれてありがと」
そう言って頭を撫でてあげた。
おばさんにお礼を言って自分の家に戻る。
下駄は確かお母さんのがあったはず。
靴箱を探すとすぐに見つかった。
そしてもう一度家の鏡で自分を見た。
よし、おかしいとこなし!
時計を見ると約束の20分前。
そろそろ行こうかな。
そう思って家を出た。

