「着替え終わった~?」



ドアからちょこんと顔をのぞかせる先輩。



「うん、終わったよ!」



そう言うとリビングに入ってきた。



「一応あったかい紅茶持ってきたけど、飲める?」



これまた可愛らしいトレーにティーカップを乗っけて入ってきた。

先輩はボーダーのワンピースを着てる。



「うん、飲めるよ。ありがと!」



そう言うと先輩はテーブルにティーカップと美味しそうなクッキーを置いてくれた。



「どうぞ。冷めないうちに」



そう言われて俺はティーカップを手に取った。



「いただきます」



先輩の入れてくれた紅茶はほんのり甘くておいしかった。

そしてクッキーももらった。

紅茶に合うような甘さ控えめのクッキー。



「おいしい?」



先輩が首を傾げて聞いてくる。

そんな先輩を見て、胸がドキッとした。



「うん、おいしい」



すると先輩はフワッと笑って、



「そのクッキーあたしが昨日作ったんだ」



そう言った。

えぇ!?普通に売り物だと思ったのに。



「先輩って料理うまいんだね!これ、ホントおいしい」



そう言ってもう1つクッキーを口にした。



「えへへ、両親いなかったら料理もうまくなるよ~」



頭を掻きながら笑ってる。

でも…



「先輩…」



「ん?」



真子先輩が俺を見る。

俺はそんな真子先輩を抱きしめた。