「真子!おはよ!」
HRが終わると隣からそんな声がした。
「秋!おはよ~」
「朝から災難だったねぇ~」
そう言ってあたしの頭を撫でてくれるのはあたしの親友の久保山 秋(クボヤマ アキ)。
黒髪のショートで、きりっとした目が特徴。
サバサバしてて怖いイメージあるけど、そんなことは全然ないんだよ?
こうやって優しいんだから!
秋とは小学校からずっと一緒なの!
「え~ん、痛かったよぉ~」
あたしがふざけて泣きまねをする。
するとあたしの後ろの席から
「オメーいつになったら一人で起きれるようになんだよ」
そう言ってため息をつく奴。
そのバカにしたような顔が気に食わない。
「俺が毎日朝練行くときお前んちのチャイム鳴らしてやってんのに、何で起きねぇんだよ」
「だ、だって…二度寝しちゃって…」
あたしがそう言うと奴はさらに深いため息をついた。
この失礼きわまりない奴は戸川 啓太(トガワ ケイタ)。
こいつとは生まれたときからずっと一緒だ。
それは両親同士が仲良かったから。
家も近かったし、しょっちゅう遊んでた。
啓太は昔っからサッカー大好き少年。
毎日朝練に行くときにチャイムを鳴らしてもらってる。
それがあたしの目覚まし代わり。
「相変わらずバカだよな」
啓太の口からは悪口しか出てこない。
黒髪の短髪で、身長が高くて、顔も整っていてとにかくモテる。
でもみんなそれは外見に騙されてるだけなんだ!!
あたしはいつもそう思っている。

