「ほら、それよりこれ着ろ」
啓太があたしに紙袋を渡す。
「え?」
受け取ったけど、よくわからない。
すると千紗さんがあたしの背中に手を置いた。
「更衣室、こっちにあるの。行きましょう」
あたしはわけのわからないまま更衣室につれてかれ、わけのわからないまま、紙袋に入っていた服を着た。
「どう?着れた~?」
更衣室の外から秋の声が聞こえた。
「う、うん。着れたけど…」
あたしはゆっくりと更衣室のドアを開けた。
すると、
「真子ちゃんホントかっわいい~!!」
そう言って飛びついてきたのは千紗さんだった。
「真子、似合うよ!」
秋もやってきてあたしを見てニッコリ笑う。
大人っぽい薄いベージュのワンピース。
でもところどころにレースや花柄が入っていて、大人すぎない。
とっても可愛い。
「えへへ、ありがとう」
そう言って啓太の方を向く。
啓太は顔を真っ赤にしてあたしを見ていた。
その隣の良介さんも同じような顔をしてあたしを見てる。
そして、啓太がハッとしたように動き出した。

