「真子ちゃん、真子ちゃん起きて」
千紗さんがそう言ったのを聞いて目を開ける。
いつの間にか寝ちゃったみたい。
「わっ!ご、ごめんなさい!寝ちゃっ……」
びっくりした。鏡に映った自分に。
綺麗に巻いてもらってアップにしてある髪。
アイラインにマスカラ。きれいな色のアイシャドウにうっすらピンクのチーク。
それにツヤツヤキラキラのグロスが塗ってある。
「…あ、あたしじゃないみたい」
そう言うと千紗さんと良介さんは満足そうに笑う。
「とっても綺麗よ。秋ちゃーん、できたわよ!」
千紗さんがお店の奥に向かって言った。
そして2人が出てきて、あたしを見て目を見開いた。
「ま、真子かっわいい~!!!!」
そう言って飛びついてきたのは秋だ。
「うわっ!」
思わず倒れそうになったのを間一髪で啓太が助けてくれた。
「お、お前ら危ないって!!」
そう言ってる啓太の顔は赤い。
「だって本当に可愛いんだもん!」
秋はあたしを見て、目をキラキラ輝かせる。
そんなに見られたらなんだか恥ずかしい。

