「待たせて、ごめんね」



あたしも照れながら笑う。

そして隼人くんはあたしの手をそっと握る。



「俺と付き合おう、先輩」



そんなの返事は決まってる。



「はいっ!」



あたしはとびっきりの笑顔でそう言った。

こうして、あたし達はやっと、付き合うことになった。

その帰り道、



「俺、真子先輩や、戸川先輩のいる大学に行くつもり」



手を繋ぎながら歩いていると、隼人くんがいきなりそう言った。

あたしは少し驚きながら隼人くんを見た。



「…だから1年待っててよ。そしたらまた一緒の学校行けるから」



そう言ってくれて嬉しかった。

また隼人くんと同じ学校に通えるなんて。



「うん、待ってるね」



あたしがそう微笑んで笑うと、隼人くんピタリと止まった。



「隼人くん?」



いきなり止まった隼人くんにつられてあたしも止まる。

隼人くんの顔を見ると、なぜか頬を赤くさせてちょっと眉を下げている。

どうしたんだろう。



「…先輩、そうやって笑うの、俺の前だけにしてよね」



急にそんなことを言う。



「えぇ?」



どうしてと思う。だってあたし結構いつも笑ってると思うんだけどな。

ハテナマークを頭に浮かべていると、隼人くんはあたしを見てニヤッと笑う。

そして、