「では、ごゆっくりとおくつろぎください」



そう言って女将さんが部屋から出て行った。



「あ~もう腹いっぱいで食えねぇ!!」



女将さんが敷いてくれた布団の上に仰向けで寝転がる啓太。



「啓太、すぐ寝ると牛さんになるよ!」



そう言って真子が一生懸命啓太を引っ張って起こそうとする。

あたしはそれをカメラでパシャリと撮った。

今日だけでたくさん写真が撮れた。

またアルバム作らなきゃ。



「あたしもお腹いっぱい~!」



カメラを机に置いてあたしも目の前の布団にダイブした。

すると即座に真子がやってくる。



「あ~もう!秋!すぐ寝ちゃダメって言ってるじゃん!」



そう言ってあたしを立ち上がらせようとする。

でも本当にお腹いっぱいで動けない。

するとパシャリという音がした。

見ると啓太があたしのカメラで撮っていた。



「ちょっと~もっと可愛く撮ってよ!」



あたしは起き上がって真子に抱き着いた。



「わっ!」



「ほら、撮って!」



あたしは真子に抱き着いたままピースをした。



「じゃあ行くぞ~」



パシャリという音がした。




「おっ!なかなかいいんじゃね?俺天才♪」



啓太はそう言ってあたし達に写真を見せてきた。

そこには確かに楽しそうに笑ってるあたしと、少し照れたように笑う真子が映っていた。



「明日もいっぱい写真撮ろうね!」



あたしがそう言うと、2人はにっこり笑って頷いた。