「お前なんだよコレ!」



啓太が荷物から取り出したもの。

それは…



「枕だよ!あたし最近その枕じゃないと寝れないの!」



そう言って啓太から枕をひったくる。



「え?秋…これ、いらなくない?」



あたしが見つけたのはパジャマと暖かそうなガウンだった。



「いるよ!だって寝るとき着るものなきゃ困るじゃん?」



あたしを見て首を傾げる。



「泊まるとこ旅館だから浴衣あるよ?」



そう言うと秋はえ?という顔をする。

これはいろいろいらないものが出てきそう。

あたしは啓太と目を合わせた。

きっと同じことを考えたに違いない。



「啓太、急ぐよ」



「おう!」



啓太とあたしは秋の荷物を分別していく。

そしていらないものは家に置いてかせた。



「わぁ!軽くなった」



秋は荷物を持ちながら嬉しそうに飛び跳ねた。



「おい、思わぬところで時間くった!行くぞ!!」



「「は~い」」



いよいよ京都に向けて出発した。