「ん、おいしい」
隼人くんが少し入れてくれた砂糖が、ちょうどいい甘み。
「先輩が好きそうだなって思って買ったんだけど、正解だった」
へへっと照れたように笑う隼人くん。
しばらく2人で他愛のない話をした。
「あっ!そうだ!!」
急に隼人くんがそう言ってバタバタと部屋から出て行った。
そしてすぐに戻ってきた。
「俺、火事のことですっかり渡すの忘れてたんだけど」
そう言ってあたしに渡してきたのは…
「あ!星の砂だ!」
そう、あたしの手に置かれたのは、小さなビンに入った星の砂だった。
そう言えば隼人くん、修学旅行は途中で帰って来たんだっけ。
「それ、俺が見つけたんだよ」
隼人くんがそう言ったのを聞いてびっくりする。
だって、あたしが前に探した時全然見つけられなかったから。
「まぁ、正確には俺の友達が見つけてくれたんだけど」
そう言って頭を掻く。
「…ありがとう。大切にするね!」
そう言ってもう一度星の砂の入ったビンを見る。
「…ねぇ、先輩」
隼人くんに呼ばれて顔を上げる。
「前にも言ったけどさ、いつか一緒に星砂、探しに行こう」
頬を少し赤くしながらあたしを見る。
隼人くん、なんだか緊張してる?
「…うん、行こっか」
そう言うと隼人くんはいきなりあたしの手を優しく掴んだ。

