「別に。大樹もアイツの事好きみたいだし」
松永はレールの他に駅や木まできれいに設置していく。
俺がやると本当に悲惨だ。
だから大樹は感激しているようだ。
「…アイツに」
「隼人くん?」
俺は頷く。
「…また大樹と遊んでやってって言っといて」
俺がそう言うと真子はにっこり笑う。
「…うん、言っとくね」
そして真子は松永に視線を移す。
その顔を見て、俺ははっきり思った。
あぁ、真子はアイツが好きなんだって。
だって見たこともないような、優しい目でアイツを見ている。
でも不思議と嫉妬感は涌かない。
それは俺が松永を認めてるからかな。
アイツなら、真子を幸せにできるって思ってるからかな。
「先輩たちっ!」
松永が俺たちを呼びながらやってくる。
「2人とも手伝って!」
そう言って俺と真子の手を引っ張る。
「うん、わかった」
真子がそう言う。
「よし!じゃあやるか!」
俺もそう言って立ち上がる。
こうしてお食事会は意外と楽しく終わったのだった。

