「こ、こうか？」
「そうです！そしてこれを使ってこうして…」
松永に言われた通りやると…
「兄ちゃんすごいっ！トンネルもできてる！！！」
大樹がテンションを上げて俺の方に来た。
いや、やったの俺じゃねぇけど…
そう思ってチラリと松永を見ると目が合った。
そして俺に向かってニコッと笑いかけてきた。
俺の顔は一気に真っ赤になった。
いや、でもこいつは男だ。可愛い顔した男だ。
でも…今の笑顔、ヤバかった。可愛かった。
「お兄ちゃんすごいね！じゃあ大樹くん、今度はあっち作ろう！」
「うん！隼人兄ちゃん手伝って！」
そう言って大樹が離れたあと、松永はもう一度俺を見た。
「…兄ちゃんって言われるの、いいですね」
照れたようにそう言う。
そんな顔も可愛い。
でも不意にその笑顔が消える。
そして、
「本当は俺にも、弟か妹がいたんです」
胸が締め付けられそうなほど、切ない声を出して松永がそう言った。
