「ちょっと汚いなぁ~食べてから喋ってよ」
あたしはそう言ってポケットティッシュを出して啓太に渡す。
啓太は口の中に残っている焼きそばパンを飲み込んで、イチゴオレをごくりと飲んだ。
「え!?何?原田のお気に入りって?なんだよ!?」
焦ったように立ち上がってそう言う。
すると秋が,
「ちょっと落ち着きなよ。ほら、座って座って」
そう言って啓太を座らせる。
秋も啓太の扱いがうまい。
「そのまんまの意味だよ。だってああいう雑用頼むのってだいたい真子じゃん」
そう言われてあたしは考えた。
確かに、なにやるにしても原田先生は大体あたしに頼みごとをする。
まぁ、あんまり考えたことなかったけど。
「それよりアンタ、早くいかないと5時間目間に合わないよ?」
秋にそう言われてあたしはハッと時計を見た。
お昼休みもあと15分だ。
「おっといけない!あたし行ってくるね!!」
お弁当袋をカバンにしまってあたしは原田先生に頼まれた書類を持って職員室に向かっ
た。

