朝起きてキッチンに行くと隼人くんが朝ごはんの支度をしていた。
今週のご飯の当番は隼人くんだから。
「あ、先輩おはよ~」
降りてきたあたしに気付いて、隼人くんがとびっきりの笑顔を見せた。
朝起きたばっかりのあたしにとってはまぶしすぎる。
「お、おはよ」
あたしはそう言いながらティーポットに紅茶の茶葉を入れる。
入れながら隼人くんをチラリと見る。
下はジャージで上はパーカーを着ている。
その上にエプロンをしてるんだけど、なんだかんだ似合っちゃってる。
でも…
「ふふっ」
あたしは思わず笑ってしまった。
だって…
「何?」
「は、隼人くん、寝癖が…あははっ!き、鬼太郎みたい」
そう、隼人くんの頭のてっぺんからピンと髪の毛が立っていた。
まるで鬼太郎みたいに。
あたしが笑ってると隼人くんは恥ずかしそうに手グシで直すけど、
その寝癖はしぶとくピンと立つ。
「ふふ、後で洗面所で直しな」
「そうだね、そうするよ」
隼人くんはそう言ってまたフライパンに目を戻す。