「他になんか困ったことあったら言って」



そう言いながら紅茶を2人に出す。



「なんか本当にごめんねぇ。俺たちもできることはなんでもやるから」



賢一さんがそう言ったのを聞いてふと思った。



「ねぇ、前にドラマで見たんだけど、家事とか分担でやらない?毎週くじ引きとかして決めたら面白いよね!!」



あたしがそう言うと、



「あ、先輩!それ『2DK』でしょ!?俺もあのドラマ見てた!」



あたしの話に食いつく隼人くん。

去年やってたドラマで、一人暮らしの男の人の家に、両親を亡くして途方に暮れていた社員の女の人が一緒に住む話。

良く考えればあたしたちと逆の感じ。




「うん、確かに面白いな!」



賢一さんもそれに賛成みたい。

少し頑丈そうな紙を見つけて、3つに切る。

そして料理・掃除・洗濯とマジックで書いて、昔ディズニーランドで買ったお菓子が入っていた缶の中に入れた。



「ふふっ、なんか楽しいね!」



いっつも一人だったのに、急に家族が2人増えたみたい。

あたしはなんだかワクワクした。



「じゃあ今日は俺が料理するね!」



隼人くんが立ち上がってそう言う。



「あ、じゃああたしも手伝うよ」



あたしもそう言って立ち上がった。

すると賢一さんは、



「じゃあ俺はテレビ見てよーっと」



そんなことを言ったから3人で笑った。