「あ~もうホント迷惑だよね~。新しいマンションできるまで住むところ探さなきゃいけないし」
兄貴がそう言いながらポケットからスマホをだした。
その時、
「…新しいマンション出来るまで、あたしの家に来る?」
真子先輩がいきなりそう言った。
「「え!?」」
俺と兄貴は一緒に真子先輩を見た。
その視線にびっくりしたのか先輩の肩がビクッと上がる。
「あ、いや。あたしの家どうせ一人だし、どうかな~って」
真子先輩は俺を見てどう?と聞いてくる。
いや、どうって言われても…
「わ、悪いよ!そんな迷惑かけられないよ!」
俺はそう言って首を振る。
でも真子先輩は笑って、
「全然迷惑なんかじゃないよ。ていうかいてくれた方があたしも楽しいし」
なんて言う。
いや、でも先輩と一つ屋根の下とか…
「そ、そうだよ。そこまで迷惑かけられないよな」
今まで固まっていた兄貴がそう言う。
きっと兄貴もフル回転でいろいろ考えたんだろう。
すると先輩はう~んと少し考えたと思ったらアッと言う声を上げた。
「お母さんに電話して聞いてみるよ。それならいいでしょ?」
そんな事を言っていきなり電話をかけ始めた。
「隼人くん、お母さんのお気に入りだから絶対喜ぶと思うんだよね」
携帯を耳に当てながらそんなことを言う。

