「隼人!こっち!!」



「星砂あったか!?」



俺が駆けつけると健太は大きい岩の影を指さした。



「ふふふ、俺に感謝するがいい」



健太が指さした場所にしゃがんでみてみる。

すると、



「うわ!これほとんど星砂じゃん!」



岩が風から守ってくれていたみたいに、星砂がたくさんある。



「健太ありがと!まじ嬉しい!」



俺はおもいっきり笑って健太にお礼を言った。

でもその瞬間健太の顔が真っ赤になった。



「お、お前の笑った顔って、破壊力ヤバいよな」



健太がボソっと言ったのは聞こえなかった。

俺は家から持ってきていた小さいビンに星砂を詰めた。

渡した時の真子先輩の笑った顔を想像する。



「お前ってホントあの先輩に惚れてるよな~」



隣でニヤニヤしながら健太が俺を見ている。



「いいじゃん!好きなんだもん!」



そう言ってそのビンを持って健太と一度ホテルに戻ろうとしている時だった。



「松永っ!!」



そう言って俺を呼んだのは担任の樋口だった。

すごい焦った顔をして走ってくる。



「樋口って将来ハゲそうだよな」



隣の健太がいきなりそんな事を言ったから俺は吹き出して笑う。



「まぁ、確かに。あの前髪だもんな」



そう言ってると樋口が俺のところまで来た。



「お、お前っ!す、すぐ帰るぞ!!」



その言葉に、一瞬意味が分からなかった。



「な、なんでですか?」



俺の代わりに健太がそう言う。

すると樋口が汗を拭きながら口を開いた。