教室のベランダからグランドを見ると、２年生が修学旅行に行くために集まっていた。
「いいね～修学旅行」
秋が隣でそう言う。
去年はあたしがあの中にいて、隼人くんはこうやってベランダに居たっけ。
そう思うと１年って本当に早かった。
「あ、そっか。２年は今日から修学旅行か」
啓太がそう言いながらあたしの横に来た。
「また行きたいなぁ～」
あたしがそう言うと秋が思いついたように言った。
「じゃあ３人で今度卒業旅行行こうよ！」
そう言った秋にあたしと啓太の目が光る。
「うん、いいね！行こうよ！」
「お前にしちゃいいこと言ったな！！」
こうしてあたしたちは卒業旅行に行くことが決定した。
「行き先とかは徐々に決めてこうよ」
秋が楽しそうにそう言う。
「しおりとか作っちゃおうか！修学旅行っぽく！」
あたしだってノリノリだ。
「俺、誕生日過ぎたら自動車学校通うから、車で行ける距離でもいいな！」
そうやって３人で盛りあがっていると、グランドにいる２年生たちが動き始めた。
どうやらバスに乗るみたいだ。
あたしはもう一度、グランドを見た。
少し小さくて、ブラウンの髪がフワフワしてる。
すぐに見つけられた。
