……でも。痛くない。
おかしいと思って目を開けると…
「ねぇ、弱いものいじめって楽しい?」
俺の目の前に立ってる人がそう言った。
奴の振り下ろそうとした腕を掴んでいる。
よく見れば…
「なんだ?この女」
そう、女の人だ。
「女だからって何。てか1人によってたかって卑怯だよ!」
そう言ったとき、リーダーが声を上げて笑う。
「はっは!威勢のいい女だな。よく見れば可愛いし。よし、お前らやっちまえ!」
それが合図とともにその女の人に4人が一斉に飛びかかった。
危ない!!そう思っても俺は動けなかった。
でも…
「…う、嘘だろ?」
リーダーがつぶやいた。
女の人の周りには4人が倒れている。
「こんなに弱くて、よく不良なんてやってられるよね!」
腰に手を当てながらバカにしたように笑って言った。
女の人の強さは半端なかった。
型を見た感じだと空手か?
「で?あなたはどうする?」
女の人がリーダーにそう言う。
すると、奴はサーッと青ざめたと思ったら一目散に逃げて行った。

