「松永くん、真子のことよろしくね」
久保山先輩はそう言うと、栗原と、そこで倒れている2人の男を連れて去って行った。
そして俺は振り返って真子先輩のところに向かう。
「…帰ろっか」
俺はそう言って先輩に左手を差し出す。
「…うん」
真子先輩は俺の手を掴んで立ち上がろうとした。
でも…
「先輩?」
先輩は一向に立ち上がらない。
そして少し困った顔をした。
「…ごめん、安心したら腰ぬけちゃったみたい」
そう言って笑った先輩を見てなんだか俺もホッとした。
「しょうがないなぁ」
「キャッ!」
俺は真子先輩をお姫様だっこする。
「は、恥ずかしいよ…」
そう言って顔を俺の胸にうずめる。
俺にとってはそっちの方がヤバい。
「いいから!暴れないでよ」
俺はそう言って真子先輩の家まで向かった。

