「…あ、あの人が悪い。あの人が…あたしの隼人を奪ったの!」
栗原はそう言って真子先輩を睨む。
「あたしはあんたより隼人のことを知ってる!あんたより、あたしの方が隼人を好き!なのに…なのに…あんたなんかいなきゃよかったっ!!!!」
叫ぶようにそう言った。
俺は、もう我慢の限界だった。
そっと立ち上がり、栗原のところに近づく。
「隼人、あたし隼人のことが好き。あんな奴なんかより好き。だからあたしと付き合ってよ。ねぇ、はや…」
「黙れ」
俺はそう言って栗原をギロッと睨んだ。
栗原はビクッと肩を震わせる。
「俺が好きなのは先輩だけだ」
栗原だけに聞こえるように俺はそう言い切った。
「は、はや…と」
栗原はうるんだ目で俺を見る。
そんな顔したって、許さない。
「これ以上、先輩を傷つけたら…」
怯えてる栗原の耳に自分の口を近づけた。
「女だろうと容赦しないよ」
俺がそう言うと、栗原は腰が抜けたようにその場にしゃがみ込んだ。

