パーン



あたしたちは1番でゴールした。



「では2年2組の松永君。お題はなんでしたか?」



ゴールのところにいた実況の人がマイクでそう言って隼人くんからお題が書かれた紙をもらう。

そしてそれを見てにっこり笑った。



「松永君のお題、それは『大切な人』。この人が松永君の大切な人ですか?」



実況の人が隼人くんにマイクを向ける。



「はい、そうです」



隼人くんは躊躇なくそう言う。

あたしは今きっと何とも言えない顔をしてるだろう。

あんな突き放し方をしたのに、隼人くんはまだあたしのこと、好きでいてくれてるの?

涙が出てきそうなのをぐっとこらえる。



「俺が、これからもずっと大切にしたい人です」



とどめを刺すかのようにそう言った隼人くん。

あたしの涙はポロポロとあふれ出した。

周りからはヒューヒューとか女の人の悲鳴のような声も聞こえる。

隼人くんがあたしを見た。

そして、



「俺、あきらめないから」



そう言って微笑んだ。

それを見たらまた涙が出てきた。

隼人くんはあたしが泣き止むまでずっと手を握ってくれていた。

結局隼人くんは1位啓太は4位でゴールした。

なんと、啓太のお題だったふんどし。

連れてきたのは原田先生だった。

そして、2組が総合優勝したのだった。