それからクラス対抗リレーは1位になった。

今回2組には啓太もいるし、隼人くんもいた。

その2人が活躍して、群を抜いての1位だった。

隼人くんと合わなくなってから1か月近くたつ。

今でもたまにメールが来る。あたしが返信しなくてもいいような内容。

正直、返信したい。話したりしたい。

隼人くんから借りたハンカチはいまだ返せないでいる。

返したらもう終わりになってしまうような気がして、返せない。

チラリと少し離れた場所にいる栗原さんを見る。

するとあたしの視線に気づいたのか、こっちを見た。

そしてニヤリと勝ち誇ったかのような顔をする。

あたしはすぐに視線を逸らした。



『それでは最後の種目です。お題リレーに参加の皆様はテントの方へお集まりください』



そんなアナウンスが流れた。

お題リレーは途中お題が入ったBOXから紙を引いて、そこに書いてあるものを持って

ゴールしなくちゃいけない種目だ。

各学年のクラスの代表者1名が選抜される。



「啓太、頑張って!」



「おう!絶対1位になってやる」



あたし達のクラスの代表は啓太だ。

啓太は片手をあげてテントに走って行った。

無意識に隼人くんのクラスに目が行く。

お題リレーの代表になったってメールがあった。

隼人くんがテントの方に行くのが見えた。

あんだけ近かったのに、今はすごく遠くにいる人に見える。



「あ、松永くんも代表なんだね」



秋がそう言う。



「うん、そうみたいだね」



秋がなんか言いたそうにあたしを見ていたけど、それには気づかないふりをした。