「昔さ~どっちが高くまでブランコこげるか競争したよな」
ま、大体勝ったのは俺だけど。
「したね~運動神経悪いあたしが負けるって決まってるのにさ」
ブランコをキーキーとこぎながらそう言う。
少し無言でこいだあと、俺は口を開く。
「…松永と、なんかあったのか?」
俺がそう言うと、真子はブランコをこぐのをやめた。
真子の乗っているブランコがだんだん遅くなって、次第に止まる。
俺はブランコから降りて真子のところに行く。
真子はうつむいて、唇を噛みしめる。
これ以上、真子にこんなつらそうな顔、させられない。
俺はブランコに座ってる真子をそっと抱きしめた。
「っ!啓太?」
真子がびっくりしたような声を出す。
俺は抱きしめたまま、口を開いた。
「俺にしとけよ」

