「…もう、あたしに構わないで…」
そう言った先輩に耳を疑った。
「え?どいう…」
「隼人くんのこと、嫌いになったの。それだけだから」
そう言うと先輩は立ち上がってここから去ろうとする。
俺は急いでその手を掴む。
「…なんでだよ?理由言ってくんなきゃわかんないよ」
今先輩、俺のこと嫌いって言った?
なんでだよ。急にどうしたんだよ。
すると先輩は俺の手を振りほどいた。
「嫌いになったのが理由。じゃあね」
俺の顔を見ずにそう言って走って行く。
ただ俺はその後ろ姿を見つめる。
嫌いになった?俺、なんか嫌われるようなことしたっけ?
「…くっそ」
ベンチに座ると、そこにはまだ先輩の香りが残っている。
俺はしばらくその場から動けなかった。

