「秋遅いな~」



秋と帰る約束をしていて教室で待っていたけど、一向に帰ってくる気配がない。

もう教室にはあたし一人。

そのとき、パタパタと誰か走ってくる音が聞こえた。

秋かな~そう思っていると教室に入って来たのは原田先生だった。

少し、焦ってるみたいだ。



「あぁ、七海。ちょうど良かった」



そう言ってあたしに近づいてくる。

なんだろ?そう思っていると、



「久保山が、今階段から落ちたみたいで保健室にいる」



原田先生がそう言った。



「秋が!?先生!秋大丈夫なの!?階段から落ちたって!!」



いきなりの衝撃にあたしの体が震える。



「七海!落ち着け。久保山は軽い打撲だ。一応今から病院に行くだけ」



原田先生の言葉にホッとする。



「ほら、お前も保健室来い」



そう言われてあたしは秋のカバンを持って原田先生と保健室に向かった。



「秋っ!!」



「真子!」



あたしは秋に抱き着いた。



「ちょっ!真子重いって!」



そう言われたけどあたしは秋から離れなかった。



「もう!本当心配したんだからね!」



あたしはそう言って秋の顔を見る。

でも秋の顔を見たら涙がこぼれてきた。

ホッとした。良かった。



「あ~真子泣かないの!腰打っただけ。あたしは大丈夫だから」



そう言って秋がスカートのポケットからハンカチを取り出してあたしに押し付ける。



「うん、ひっく。よかっ、良かった」



当分あたしの涙は止まらなかった。

でも運動神経のいい秋が階段から落ちる?

あたしにはちょっと信じられなかった。