「ちょっと!何!?」
突然の出来事に、緑の人があたふたしている。
後ろを振り向くと大ちゃんがベンチの上に立ち上がっていた。
「真子ちゃんを悪く言うな!お前の方がブスじゃねぇか!!」
啓太みたいな言い方をする大ちゃん。
「だ、だだだだだ大ちゃん!!!!」
なんと、大ちゃんは緑の浴衣の人に自分の食べていたりんご飴を投げつけたのだ。
緑の浴衣は赤い飴でベトベト。
「んなぁにすんだよ!このガキっ!」
「お前らが悪いんだぞ!真子ちゃんは僕が守る!!」
そう言い張ってベンチから飛び降りてあたしの前に立つ。
「ガキが調子こいてんじゃねぇよ!」
緑の浴衣の人はかなりご立腹だった。
そして大ちゃんに手を上げた。
「ダメっ!!」
あたしは咄嗟に大ちゃんを抱きしめた。
大ちゃんだけは傷つけたくない。
ギュッと目を閉じる。でも痛みは全然襲ってこない。
そっと目を開けると…
「おい、俺の連れにちょっかい出してんのは誰だ?」
そこには啓太がいた。
緑の浴衣の人の振り上げた腕を掴んでいた。

